腕時計の寿命はどれくらい?長く使い続けるコツについても解説!
公開日:2023/08/15 最終更新日:2023/06/15
有名ブランドの腕時計は高価であり、中には一生ものと考えて購入する人もいます。しかし、高価な腕時計であっても永遠に使用できるわけではありません。しかし、適切なケアをすることで寿命をできるだけ延ばすことができます。この記事では、腕時計の一般的な寿命や寿命を延ばすためのコツ、そして寿命が近づいているサインについて説明します。
腕時計の一般的な寿命
まず、腕時計の寿命はその腕時計のムーブメントのタイプによって異なります。ムーブメントとは、腕時計を動かすための駆動部分のことで、重要な役割を果たしているのです。ここでは、ムーブメントのタイプごとにそれぞれの寿命を解説します。
クォーツ腕時計
クォーツ腕時計は比較的新しいムーブメントであり、1969年に日本のセイコーが世界で初めて実用化しました。クォーツ腕時計は電圧を加えると正確に振動する水晶(クォーツ)の性質を利用しています。扱いやすさから、安価な腕時計から高級な腕時計まで幅広く使用されているムーブメントです。
ただし、クォーツ腕時計の修理は電子回路の交換が必要となる場合があります。一部の高級時計メーカーでは修理を受け付けていますが、費用がかかる上に成功しない可能性もあるのです。そのため、クォーツ腕時計の寿命は電子回路の寿命とされており、約10年程度といわれています。
ソーラー腕時計
ソーラー腕時計は、太陽光を電気エネルギーに変換して動作する仕組みをもっています。昼間に蓄えられた電力を二次電池に貯めておくことができるため、夜間や天候の悪い日でも蓄えた電力を使用して動作させることができるのです。
一部の人々はソーラー腕時計を永久に使用できると思いがちですが、実際には二次電池は使用にともない徐々に消耗し、やがて寿命を迎えます。二次電池を交換せずに使用し続ける場合、ソーラー腕時計の寿命は約7年程度です。二次電池を交換しても、一般的には10年程度が限度とされています。
機械式腕時計
機械式腕時計は、ほかのムーブメントタイプと比較して歴史が古いものです。19世紀後半に発明され、一時期はクォーツ腕時計の台頭により衰退しましたが、その後再びその価値が見直され、現在でも信頼性の高いムーブメントとして多くの腕時計に採用されています。
機械式腕時計はゼンマイを巻き上げることによって動力を得ており、精密で複雑な部品が組み合わされているのが特徴。その部品には歯車やパッキンなどの消耗品も含まれているため、何もメンテナンスをせずに使用し続けると部品が摩耗したり錆びたりして故障の原因となります。
しかし、定期的にすべての部品を分解し、オーバーホールと呼ばれるメンテナンスを行うことで、部品を交換したり汚れを除去したり潤滑油を交換したりすることができ、長く使用できるのです。このようなメンテナンスを適切に行えば、機械式腕時計の寿命は約50年にまで延ばすことができる場合もあります。
腕時計の寿命を延ばすためには?
腕時計の寿命を延ばすためにはどのような方法があるのでしょうか?以下に腕時計の寿命を延ばすための方法を解説します。
定期的なメンテナンス
腕時計を長く使うためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。ムーブメントの種類によって異なりますが、一般的にはクォーツ式なら5年に1度、機械式なら3〜5年に1度、ソーラー式なら6〜7年に1度の頻度でオーバーホールを行うことが推奨されます。
オーバーホールには費用がかかるかもしれませんし、故障していない時計をメンテナンスに出すことに躊躇するかもしれません。しかし、故障する前に定期的なメンテナンスを行うことは、腕時計の寿命を延ばすために非常に重要です。
使用環境や保管場所に気をつける
腕時計の寿命を延ばすためには、使用環境と保管場所にも気を配る必要があります。とくに、非防水性の腕時計では高温多湿な環境は避けるべきです。腕時計の内部は精密な部品で構成されているため、内部で結露が発生すると部品の腐食が進んでしまう可能性があります。
湿度の高い場所や浴室などの湿気の多い場所での使用は避け、保管する際も温度と湿度が過度に高くならない場所を選ぶように注意しましょう。これにより、腕時計の内部部品を保護し、寿命を延ばすことができます。
腕時計の寿命サイン
腕時計は機械的な装置であるため、いずれは寿命が訪れます。寿命が近づいている腕時計は、まず電池が急速に消耗するようになるのが特徴です。新しい電池に交換しても、短期間で電池が切れてしまう場合、内部の部品に摩耗が生じている可能性があり、寿命が近づいている兆候といえます。
また、時計を合わせてもすぐにずれてしまう場合も同様に、寿命のサインです。これらのサインが現れた場合は、腕時計の寿命が近いことを示しているので、適切な対処を行いましょう。
まとめ
腕時計は高度な精密機器であり、定期的なメンテナンスや慎重な取り扱いが必要です。しかし、いくら注意してメンテナンスを行っていても、いずれ寿命が訪れます。寿命のサインが現れた場合は、修理や買い替えを検討する時期です。その腕時計の価値や修理費用を調べ、最善の選択を検討してください。大切な腕時計と向き合い、長く愛用するために必要な判断です。